「英語脳」という言葉を聞いたことがありますか?
英語を英語で理解することができる思考回路をもつ脳のことをそう呼びます。
英語を英語で理解するなんて、英語環境で生まれ育ったネイティブじゃないと難しいでしょ?
実はノンネイティブでも、英語が苦手とされている日本人であっても、英語脳を鍛えることができるということはあまり知られていません。
そして、この英語脳の作り方というのはおうち英語にも応用できるもの。
これからの時代、思考を英語脳に近づけるだけでメリットだらけ。
今すぐにできる学習法をお話していきます。
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英語脳という仕組み
一言で言うと、英語を聞いたとき、日本語を頭に浮かべずに英語で理解できる感覚をいいます。
といっても、そもそも自分が英語を聞いたときにどのような思考回路になっているか分からないという方も多いと思いますので、一緒にチェックしてみましょう。
家族や友人から「この間こんなことがあってね」と日本語で話を聞いたとき、あなたの頭の中には聞いた話のイメージ映像がブワ~ッと浮かぶと思います。
あぁ、あのスーパーでの出来事ね。ほぉ、こういう感じのことがあったのね。イメージ映像とともに話を聞いているのではないでしょうか。
では、同じ話を英語で聞いた場合はどうでしょうか?
簡単な会話や挨拶ならまだしも「この間こんなことがあって」なんて前情報もない内容を英語で話されても追いつかない…という方も多いと思います。
英語で聞いた話をゆっくり頭の中で日本語に訳して、それから理解する…という経路なのではないでしょうか。
日本語で話を聞いたときの例が日本語を日本語で理解するという状態、英語で話を聞いたときの例が日本語を介して英語を理解している状態です。
そして英語脳というのは、日本語の例のように英語を聞いただけでイメージ映像が浮かび、わざわざ日本語に訳さなくても文脈を理解できる状態を言います。
英語脳は英語学習に合理的
わたしたちは、日本の英語教育を受ける中でなにかと英語を日本語に訳すという作業をさせられてきました。
わたしも、日本の英語教育、海外の語学プログラム、独学、いろいろな方法で英語を勉強してきたうちの1人ですが、振り返ってみても日本語に訳す作業というのが何のためだったのか、いまだに疑問です。
正直なところ何十年経っても役に立たない、1つも身にならない作業だったなと感じています。
英語の言葉を根本的に理解するには別の言語を介してではなく、英語そのものの説明を聞くことが一番合理的なのです。
たとえば、日本語に訳すとすべて「見る」になってしまう以下の英語。
See
Look
Watch
学校で習うときも、すべて「見る」というふうに教わったと思います。
そして実際に「見る」を英訳しようとしたとき、この3つのどれを使ったらいいのか悩んだことのある方も多いのではないでしょうか。
それならば、はじめから
See:to be aware of what is around you
Look:to try to find something
Watch:to look at something for a period of time
と教えてもらう方がよっぽど混同せず、3つの単語がまったく違う意図で使われるものだと理解できたはず。
もっとも、日本ではコミュニケーションとしての英語を教える風潮がないので仕方のないことだとは思うのですが…
英語で英語を理解できるようになると、
コミュニケーションが円滑に
洋画を見るとき、字幕なしでも理解が追いつくように
TOEICなどの問題文も聞きやすく
という大きなメリットが期待できます。
日本語を介すという余計なひと手間を省くことでコミュニケーションはもちろんのこと、英語を使うあらゆる場面で意思疎通が円滑になるのです。
英語脳はおうち英語にも活用できる
英語脳を鍛えればおうち英語での語りかけも楽になり、お子さんの英語脳も一緒に鍛えてあげることができます。
まだ言語の区別がついていない年齢のお子さんだったら、英語脳を作るのは大人よりも簡単。
幼少期のうちに英語脳を作ってあげることができれば大きくなってから英語を学習するにも負担が軽くなりますし、英会話や読み書きの習得や理解のスピードも格段に違ってきます。
小学校に入り日本語を介した勉強法を教え込まれてしまう前に、英語を英語で理解する感覚を身につけてもらうことも、おうち英語の大切な役割になります!
英語脳を鍛える4つの学習法
英語脳を鍛えるためにできる学習法を4つご紹介します。
1. 英語を絵で覚える練習法
わたしたちは英語を覚える際、単語を暗記するところからさせられてきました。
ノートにひたすら単語練習をしたり、単語帳の裏表に英語と日本語を書いてペラペラめくって覚えたり。
その学習法をまだ続けているならば、今すぐにやめましょう。
英語で英語を理解できるようになるためには、日本語を介した学習法はNGです。
頭の中で英語を一旦和訳する癖がなかなか抜けず、英語脳を鍛える大きな妨げになってしまいます。
そこで、単語帳の日本語を書くべき場所に「絵を描く」というアイデアで代用してみてください。
「Apple」 だったらリンゴと書かずに Apple の絵を、「Smile」だったら Smile している顔を、「Laugh」だったら Smile よりも大きな口を開けてガハハと笑う絵にしてみると分かりやすいですね。
こうすることで英語をイメージで理解する特訓になり、継続していくうちに日本語を介さないプロセスができあがっていきます。
これで、Smileと聞いたときにSmileの顔が、Laughと聞いたときにLaughの顔がそれぞれ浮かぶようになれば、英語をイメージ化できているということになります!
この方法は特に分かりやすく、おうち英語に最も活かしやすいもの。
お子さんが使用している英語ポスターやワークに、日本語訳が書かれていませんか?
英語⇔日本語をセットで暗記するのではなくイメージで覚えるために、英語と対になるものはイラストか写真に置き換えるようにしましょう。
2. 英語で独り言を言う練習法
これはわたし自身もよく行っている学習法の1つ。
会話相手がいるシチュエーションよりも手軽で、思ったことを思ったときに口に出せるので、いつでもどこでも実践できる効果的な特訓方法です。
ポイントは、間違いかどうかを考えるよりも前に口から英語を出してしまうこと。
「瞬発力」も鍛えられて、よりテンポよく英語を話す練習にもなります。
瞬発力は、英会話においてとっても大切な要素。
1回1回よく考えて言葉をひねり出すよりも、テンポよく会話を進めていく練習をしましょう。
正確性よりも瞬発力です!
おうち英語で言えば、お子さんが英語動画や語りかけなどで十分なインプットをしている場合、1人で遊んでいるときとっさに英語が出ることがあるかもしれません。
それはお子さんが確実にその英語を自分の言葉にして、実用的に使えている証拠。
パパママも負けじと独り言作戦で、脳から英語を使っていきましょう!
3. スラッシュリーディング練習法
日本人は英文を読むとき、後ろから訳す癖があります。
もしその方法で英文を読んでいるならば、それも今すぐに封印しましょう。
後ろから順に訳すと、自然な日本語になるということを学生時代に習ったと思いますが、それは日本人に分かりやすいように考案された解読法にすぎず、それを続けていてはいつまで経っても英語を英語で理解できるようにはなりません。
そこでおすすめしたい英文の読解法が、スラッシュリーディングというものです。
初心者向けのテキストや問題集などではよく見かけると思いますが、長い文章をところどころスラッシュで区切って、その区切りごとに理解しながら読み進めていく方法です。
たとえばこんな文章だったら、、、
I have a big news! I've got a friend at today's gathering!
こんな具合でスラッシュを入れていきます。
I have / a big news! / I've got / a friend / at / today's gathering!
もちろん、スラッシュの数が少なくなればなるほど「一度に長い文章を理解できるようになっている」ということ。
自分の英語力がどれほど伸びているか、成長過程の目安にもなりますね。
スラッシュを使わなくても理解できるようになったら、英語脳に限りなく近づいています!
4. 英英辞書を使った練習法
これはある程度の英語力がついていることが前提になりますが、時間的・精神的余裕があれば今すぐに実践できる方法でもあります。
英英辞書を持ってない!という方は、ウェブ辞書を活用してみてください。
辞書に載っている説明というのは、正しくて簡潔な英語。
わたしも子ども達に何かを説明するときは、辞書に載っている説明や単語をピックアップするように意識しています。
まとめ
今回ご紹介した、英語脳を鍛えるための4つの学習法。
絵で覚える
独り言
スラッシュリーディング
英英辞書
おうち英語で応用できる方法もあり、英語脳が想像以上に身近なものであるとお分かりいただけたのではないでしょうか。
英語脳に近づくことで、英語学習はもちろん英語コミュニケーションもぐっと楽になり、おうち英語さえもより効率的に進められるようになります。
グローバルな時代を生き抜くにあたって、英語を英語で理解する「英語脳」を子どもも大人も身につけていきたいですね。