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言語の「臨界期」って?英語育児するなら知っておくべき年齢リミットについて

英語育児をお考えのパパママ、「臨界期」という言葉を聞いたことがありますか?

これは一言で言うと、一定の年齢を過ぎるとネイティブレベルにはなれないという仮説です。

おうち英語をはじめ、言語教育に興味のある方は知っておくべき臨界期について解説していきます。

 

 

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「臨界期」をわかりやすく解説

冒頭でご紹介したように、臨界期とは一定の年齢を過ぎると言語習得が不可能になるという仮説のこと。

第1言語と第2言語のそれぞれに臨界期が存在するといわれていますが、実はこの「臨界期」は厳密に言うと「臨界期仮説」といって、すでに50年以上議論されているにもかかわらずまだ「仮説」止まりなんです。

そう、臨界期という言葉をよく聞くわりに、実際はまだ確立された説ではないのです。

 

そして、肝心の「臨界期って一体何歳なの?」という部分についても諸説あるのが事実。

第1言語の臨界期はおおむね3~5歳といわれ、第2言語の臨界期については平均すると16歳程度だろうといわれています。

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第1言語の臨界期:3~5歳

第1言語、つまり母国語の臨界期については3~5歳という説が有力です。

赤ちゃんは、生まれてすぐに母国語の獲得をスタートします。

聞こえてくるすべての音を聴き分け、パパママの言葉を理解しようと小さな身体で一生懸命がんばってくれるのです。

その聴き分け能力のピークが5歳ごろと言われており、この年齢までに子どもは母国語を獲得します。

確かに、5歳といったら大人と対等にぺちゃくちゃ話せる年齢だよね!

 

わたしたちには必ず1人1人に「母国語」が存在します。

生まれ育った国の言葉、もしくは主な保育者が使う日常的な言葉のいずれか。

日本で、日本人の両親から生まれた子どものほとんどは、日本語が母国語となりますよね。

3~5歳できちんと母国語を獲得しておかないとセミリンガルになったり、第2言語以降の習得言語も伸び悩むようになってしまうのです。

第1言語の臨界期である3~5歳という年齢で、しっかり母国語の基礎を獲得しましょう。

 

第2言語の臨界期:16歳程度

このブログを読んでくださっているのはおうち英語をしているパパママが多いと思いますので、特に第2言語の臨界期が気になるのではないでしょうか。

これはなんと、16歳程度という比較的高い年齢に設定されることが多いのです。

16歳までオッケーなら、英語育児を始めるのが遅くても希望が持てるね!

分かりやすい例で言うと、親の転勤などで海外に移住せざるを得なくなった子ども達のケース。

その年齢が16歳未満の場合ほとんどの人が高い英語力を身につけることができるのに対し、16歳を過ぎてからの移住では言語能力に差が生まれることが多いのだそう。

家族で海外移住した場合、子どもは光の速さで現地の言葉を習得しネイティブレベルにまで達するけれど、親はいつまでも現地の言葉が話せない…というケースはよくあるよね

しかし、外国語が日常的に使われる環境で、高いモチベーションとともに適切な訓練を行えば、10%以上の人がネイティブレベルの言語能力を習得できるという研究結果もあります。

 

つまり16歳以上で第2言語を習得しようとする場合、本人の意欲と言語環境の両条件をクリアしない限り、16歳未満で身につくような言語能力に達するのは難しいということなのです。

 

そして、ここまで読んでお気づきの方もいるかもしれませんが…

第2言語習得の臨界期が16歳というのは、あくまで「海外移住などで現地の言語環境に身を置けるケース」に限られてしまうのです。

つまり、おうち英語など「日本にいながら第2言語を習得する」という場合、16歳まで大丈夫!とたかをくくってはいけないということ。

英語が日常的に使われていないEFL環境(次の項目で詳しくお話します)である日本では、言語習得の基本であるインプット量が明らかに足りません。

16歳までのんびり待っている余裕はなく、遅くとも7歳までには英語に触れ始めるべきという意見もあります。

 

 

 

 

 

「ESL」と「EFL」って?

臨界期と深く関わりがある、「ESL」と「EFL」についても詳しく見ていきましょう。

 

「ESL」と「EFL」って?
ESL English as a Second Languageの略 インドやフィリピンのように、英語が日常的に使われている国での英語教育
EFL English as a Foreign Languageの略 日本のように、英語が日常的に使われていない国での英語教育

 

実はこのESLとEFLをベースにした英語教育では、年齢は関係ない(臨界期は存在しない)と考えられているのです。

臨界期の定義が当てはまるのは主にアメリカやイギリスなどの英語圏、もしくはESL環境での話。

英語が日常的に使われているESL環境では、臨界期とされる年齢までに第2言語に十分に触れておくことでバイリンガル化を促すことができます。

一方でEFL環境では、前の項目で少しお話したように日常的に英語が使われていないので、そもそも十分なインプットがありません。

そのような環境下、低年齢で英語を始めることが必ずしも有利にはならないという研究結果まであるのです!

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低年齢でなんとなく英語に触れながら大きくなるよりも、成人してからがむしゃらに英語を勉強するほうが英語力が高くなる可能性も高い。

それがEFL環境での英語習得の実情です。

 

えっ!でもさっきは「遅くとも7歳までには始めるべき」って言ってなかった!?

 

そうなんです。EFL環境における英語習得は両極端な2択。

  1. 7歳までに英語に触れネイティブレベルを目指す
  2. 7歳以降に意欲的に英語学習をする

こう見ると、わたしは②の手段でがむしゃらに英語を勉強し、習得できたタイプです。

しかし、世の子どもたちがみんな②に該当するとは限らない…それどころか、英語を導入するタイミングを見誤ると苦手意識や抵抗感が植え付けられてしまい、②を期待するのは非常に難しくなってくるのです。

よって、EFL環境では①を目指し、パパママが意識的に子どもの英語環境を作ることが大切。

わたしがブログやSNSで発信しているおうち英語メソッドは、この理屈にかなっているのです。

 

第2言語習得は早ければ早いほど良い

第2言語の臨界期については幅が広く、「7歳までには」「16歳までOK」などいろいろな見解がありますが、臨界期が何歳であっても第2言語の習得を試みるなら早い方が良いという意見はどの研究においても共通しています。

前述したように、赤ちゃんは生まれてすぐに母語を獲得しはじめます。

パパママや保育士さんなどまわりの人たちが話す言葉をインプットしていくわけですが、その間こんなことが行われているのです。

母語に不要な音は排除する

そう、日本人で言うと日本語にない「L」と「R」の違い、「S」と「TH」の違いなど、日本で生まれた赤ちゃんにとって聴き分ける必要のない音は本能的にブロックするのです。

ところが、早い段階(乳幼児期)から英語に触れている子どもにとって「L」と「R」の違い、「S」と「TH」の違いは聴き分ける必要のある音とみなされ、リスニング力が発達します。

このタイミングを逃し、思春期以降に初級英語のリスニングをスタートさせたところで、英語に必要不可欠な「L」と「R」、「S」と「TH」の音を聴き分ける能力がついていないので苦労することになるのです。

 

よって、子どもに第2言語以降の言葉を習得してほしいと考えているならば、始めるタイミングは早いに越したことはない、というわけなんです。

 

臨界期を迎える前にやっておくべきこと

おうち英語に興味のあるパパママが気になるであろう、「第2言語の臨界期を迎えるまでに英語をどうやって始めたらいい?」という疑問。

何もしなくても時間は流れていき、子どもはどんどん大きくなります。焦ってしまいますよね。

第2言語の臨界期、上記でお話しているように遅くとも7歳までには英語をスタートさせたいところ。

7歳までに始めるべきおうち英語の取り組みをまとめました。

 

膨大なインプットをする

先にお話しているように、赤ちゃんは生まれてすぐに言語の獲得をスタートさせます。

その段階ですでに、母国語にない音は聴き分けられなくなるなど、母国語に合わせたリスニング能力が育っていくわけです。

それと同時に母国語以外の言語のインプットもスタートさせることで、その子の脳は「LとRも聴き分けないとコミュニケーションに支障が出そうだ」と判断し、英語特有の音の違いも聴き分ける力が発達します。

もちろん、英語をインプットしていない赤ちゃんはそうはなりません。

まさに英語圏で生まれた赤ちゃんと同じように、小さな頃から英語を聞いている子どもだけが習得できるリスニング力というわけです。

 

臨界期を迎える前にしておくべき基本中の基本は、膨大なインプット。

しかし、胎児や赤ちゃんの頃からインプットしていないと意味がないということはありません。

臨界期にも設定されているように、遅くとも7歳までには英語のインプットを始めることで、後々リスニング力の伸びに差が出てくるといわれています。

このブログを読んでくださっているパパママは、お子さんが未就園児という低年齢の段階でおうち英語を始めているパターンが多いと思います。

まさにそのぐらい小さなうちから膨大なインプットをスタートさせることは、バイリンガル化の第一歩といえるでしょう。

 

 

 

 

 

英語を使うことに慣れる

インプットは基本中の基本ですが、何年もインプットだけをしていればバイリンガルになれるというわけではありません。

英語は日本語と同じ「言葉」なので、使ってなんぼ。

インプットしたものはアウトプットもできるように。そうすることで初めてコミュニケーションとしての英語力が育っていくのです。

 

第2言語の臨界期は7歳ということで、ちょうど小学校に入学するくらいの年齢。

まさに7歳くらいで直面するのが、「英語に対して恥ずかしさを感じる」という時期がやってくることです。

それまでに、英語を使うということにも慣れておくのがマストでしょう。

この年齢までに十分なインプットがされているだけでも大きな強みですが、英語に対して抵抗感を感じ始める前に英語でのコミュニケーションを日常化することも、臨界期前にできる取り組みの1つです。

 

英語は特別なものではないと教える

臨界期前に英語に触れさせることはもちろん大切ですが、習いごとなどでハードな英語学習を強いたりしてしまうのは英語嫌いを招くことになります。

ESL環境などでバイリンガルとして育っている子ども達のほとんどは、英語を「科目」や「勉強」ととらえずに日常的に言葉として使いながら生きています。

そこがEFL環境と大きく異なるメリット。

十分なインプットや英語で生活をする習慣のないEFL環境の子ども達にとって、英語は「一生懸命勉強しなければいけないもの」という立ち位置にある一方、ESL環境で育っている子ども達は英語を特別な言葉だとはこれっぽっちも思っていません。

 

そして、それがバイリンガルに育つ一番の理由でもあります。

英語は全く特別なものなんかではない。

そう考えることで、英語への抵抗感、苦手意識、コンプレックス、ほぼすべての邪念を取り除くことができてしまうからです。

それは、臨界期である7歳を超えたあたりから芽生えさせるのは少しハードルが高くなってしまうものでもあります。

小学校という子ども社会では「英語は特別な言葉だ」という常識が蔓延しています。

その考えに染まってしまうのは集団意識として自然なこと。

だから、そうなる前におうち英語を通じて邪念を取っ払っておくということです。

 

おわりに

以上が、おうち英語という観点から見た臨界期についての解説でした。

臨界期というのは長く研究・議論されているにもかかわらずいまだ「仮説」止まりではあるものの、ほとんどの研究者が「言語習得は乳幼児期に始める方が良い」という考えを示しています。

〇歳がリミットなどとあまり考え過ぎず、子どもが言語という概念を全く気にしていない年齢のうちにスタートさせてしまうのが一番スムーズなようです。

 

臨界期を過ぎてしまい、子どもの英語教育を諦めざるを得なくなった…と思っているパパママにおすすめの記事がこちら。

www.english-for-mamatokodomo.com

英語を始めるタイミングを逃してしまった!というパパママ向けの打開策をまとめました。

始めるのが遅いとデメリットは生じますが、だからといって不可能というわけではありません。

タイミングを逃しても、親子で楽しく英語をスタートできるご家庭が増えたらいいなと思います。