お腹すいた~!Breakfastが食べたいな~
今日はSchoolでBasketballをしたよ!
I don't feel like doing 宿題 now.
ヒィ~~~!!子どものしゃべり方がまるでルー大柴さんみたいになってるゥ~~~!!!
子どもの言葉がルー語…いわゆる「ルー大柴さんのように英語と日本語をごちゃ混ぜにする話し方」になってしまう問題。
バイリンガル育児の過程では、誰もが必ず通る道といっても過言ではありません。
今では英語と日本語を完全に分けて話すことができるようになったわが家の子ども達も、ルー語期間は長く続きました。
でも、結論から言ってしまうとルー語でも大丈夫!ルー語は英語を着実に身につけている証拠です!
この記事では、
どうしてルー語になってしまうの?
ルー語になってしまっても大丈夫?
ルー語を脱却するにはどうしたら?
というパパママの心配の種となるルー語について、わかりやすく解説します。
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ルー語になる2つの原因
子どもが英語と日本語をごちゃ混ぜにして話すようになる要因は主に年齢で分けて考えられているのですが、幼児期で起こるルー語については
2つの言語が頭の中で混在している
思い浮かんだ方の言語を使う癖がある
この2点が主な要因になっています。
原因その1:2つの言語が頭の中で混在
言うまでもなく、低年齢の子どもは言語能力が未発達。
複数の言語をはっきりと頭の中で分けて考えることができず、 全部同じ言葉だと認識します。
「今日学校でりんごを食べた」という普通の文章と「Today, School で Apple を食べた」というルー語文章、日本語モノリンガルの大人が聞くと違和感を感じると思いますが、バイリンガル過程の子どもにとってはどちらも「自分が知っている言葉」を並べているだけなので、至って正常な話し方というわけです。
話しがそれますが、「Today, School で Apple を食べた」という文章、バイリンガルの人が聞くとそれほど違和感を感じないこともあるんです。
バイリンガル同士では、とっさに言葉が浮かんでこないときに知っている言語で補いながらコミュニケーションを取ることもあるようです。
原因その2:思い浮かんだ方の言語を使う癖
これは、上で説明した2つの言語が頭の中で混在しているという特徴と少し違うパターン。
混在しているわけではなく、ただ分けて使うのが面倒だからごちゃ混ぜにしてしまうという、原因その1よりも少し上の年齢(おおよそ5歳以降)で起こりがちな現象です。
年齢的に未発達だから混在してしまうのが原因その1で、ちゃんと分けて考えられるようになってるけど面倒臭いから思い付いた方の言語を使ってしまうのが原因その2だね
わが家の子ども達がルー語全盛期だった頃は、この思い浮かんだ方の言語を使うパターンに当てはまりました。
単語によっては「これって English かな、Japanese かな?」と迷うこともありましたが、基本的に「English?」と聞くと英語で答え「Japanese?」と聞くと日本語で答えてくれていたので、自分たちが2種類の言語を話しているということは理解していました。
それでも、まだ日本語も英語も語彙数がそこまで多くなかったことと、ムスコの言語発達がゆっくりだったこともあり、日本語が出てこないときに英語で補ったり、その逆もあり…補い合うという意味でルー語を使っていました。
ルー語に対する2種類の見解
ルー語反対意見「セミリンガル化のおそれ」
これは、よく「早期英語教育で日本語も英語も中途半端になってしまう」と言われている見解に近いもので、「セミリンガル」「ダブル・リミテッド」という言葉で表現されます。
こちらの記事で詳しく解説していますので、よろしければ読んでみてください。
ルー語を使い続けて、思い浮かんだ方の言語を使う癖が完全についたまま大人になってしまうと、どちらの言語に関しても知識やレベルが中途半端になる恐れがあるのです。
年齢相応の言葉を選んで会話ができなくなったり、"論理的思考"が身につかなくなるということも将来的に起こり得る…と考えられています。
ただ、これには打開策もあります。
それは、次の項目で説明するので詳細は割愛しますが、日本語も英語も伸ばすこと。
日本語ベースで英語をちょこっと学ぶのは問題ないのですが、逆パターンだと黄色信号。
日本にいるにも関わらず英語メインで、日本語を過剰に遮断する教育をしてしまうと、このセミリンガルに近づいてしまうのです。
おうち英語をガッツリやっていたとしても日本語で会話ができる相手が身近にいたり、日本語の幼稚園や学校に通っていれば日本語が不十分になる可能性はきわめて低く、日本語が母国語としてきちんと育まれます。
その過程でかなりの確率で起こるのがルー語現象なので、過敏になりすぎずどちらの言語も語彙を増やしていけばいずれモノリンガルかバイリンガルのどちらかにはなれます。
ルー語賛成意見「コミュ力があれば問題ない」
一方で、日本語と英語をごちゃ混ぜにしているのは頭の中で英語と日本語を整理できていないとか、論理的思考ができないというわけではない!という切り口からの意見も。
複数の言語を使おうと脳が一生懸命働いている証拠だという見方をします。
この意見では、問題はルー語になるかならないかではなくコミュニケーション力が備わっているかという、まったく別の論点にあると考えられます。
コミュニケーション力があれば、どちらかの言語が分からない時でも対処法が思い浮かぶ
"子どもの頃から英語と日本語が混ざった環境で育ってきたから、時々日本語わからないんだ!これって何て言うのか教えてくれない?"など、事情を説明しながら相手に躊躇なく尋ねられる
コミュニケーション力があれば、ルー語は自然と直っていく
コミュニケーション力とは"場の空気を読む"ことも含むので、もし自分のルー語が気になったら自分自身で直すことができる
コミュニケーション力があれば、ルー語であろうがなかろうが周囲とうまくやれる
カタカナ英語がこれだけ浸透している日本で、日本語だけで会話をしなければいけないわけではないのだから、ルー語であっても周囲に順応できるコミュニケーション力があれば問題ない
こういう生き方にもつながるというわけです。
本当にいろいろな考え方があるし、バイリンガル話者にも実際いろいろなタイプがいるから、正解はないのかもしれない
おうち英語でもできる2つのルー語対処法
いろいろな見解を見た上で「やっぱりなるべくルー語は直してあげたい!」と考えるパパママに向けて、ご家庭でもできる対処法をまとめました。
ルー語を直すだけではなく、おうち英語の基本的な取り組みとしても役立つ方法なので、ぜひ取り入れてみてください。
1. どちらの言語もインプット量を増やす
ルー語の要因とも考えられている、語彙数の少なさ。
日本語・英語どちらにおいても知っている言葉・使える言葉が少ないがゆえにもう片方の言語で補おうとすることで、ごちゃ混ぜになってしまうのです。
というわけで、単純に両言語の語彙を増やすことがルー語脱却への第一歩となるのです。
英語習得の基本中の基本とも言える「正しいインプット」を繰り返し行い、ひたすら語彙数を増やしていきましょう。
もちろんどちらかの言語に集中することなく、日本語も英語もきちんと伸ばしていくことがルー語脱却のポイントです。
2. さりげなく正して復唱する
ルー語になっている部分を英語でサラッとアシストしてあげることで、そのうち「コレが日本語でこっちが英語だったか」と少しずつ認識してくれるようになります。
これを繰り返していくと、日本語・英語が完全に分かれた自然なアウトプットにもつながっていきます。
「I want to eat りんご」と言われたら、「You want to eat an apple! Okay!」と正しい言い方で復唱してあげてみてください。
間違いを指摘しない
大事なポイントは、「りんごじゃないでしょ、英語では Apple でしょ」などと間違いを指摘しないこと。
おうち英語でのタブー行動でもあるのですが、子どもの言い間違いは指摘せずサラッと流してあげてください。
言語習得の基本はその言葉を使い続けること。
子どもにたくさんの英語を使い続けてもらうには、「お話したい!」「たくさん言葉を知りたい!」と思ってもらうことが必要不可欠になります。
日本語の言い間違いは可愛いからずっと直さないけれど英語になると途端に厳しくなる…という状況は子どもからすれば、日本語は間違いすら可愛いと言ってもらえるけど英語では許されないという過酷な言語環境。
それを続けてしまうと、言うまでもなく子どもは日本語のほうを好んで話すようになります。
子どもの意欲を削いでしまわないよう、間違いを指摘するのはやめましょう。
日本語ベースか英語ベースか見極める
さりげなく正してあげる方法は、子どもの発した言葉が英語ベースなのか日本語ベースなのかを見極めてから復唱する必要があります。
英語ベースに日本語が混ざる場合
I'm hungry だから I want to eat りんご. など
日本語ベースに英語が混ざる場合
お腹すいたから Apple が食べたい。など
英語ベースの場合は正しい英語に、日本語ベースの場合は正しい日本語に直してあげることで、それぞれの言語への理解が深まります。
おわりに
突然始まるルー語に戸惑うパパママも多いと思いますが、バイリンガルを目指す過程ではほぼ必ず起こり得る自然な現象。
日本語と英語がごちゃ混ぜになり始めたからといって英語育児をやめなければいけない、言語の発達が遅れてしまう、というのはあまり賛成できません。
わたしが留学していたカナダのホストファミリーの娘さん(当時5歳)は英語とスペイン語のバイリンガル教育を受けていましたが、日常会話では英語とスペイン語が混ざりまくっていました。
ホストファミリーは「子どもだもの、言語の区別がついていないから混ぜて使っちゃうのは仕方ないよね。すぐ直るよ」とまったく気にしていませんでした。
それくらい、誰にでも起こるバイリンガルへの階段のうちの1つだということです。
子どもが複数の言語を自然に操れるようになるための土台を作れるのは、幼少期が最大のチャンス。
ルー語についての知識を正しく持って、子どもの日本語力・英語力・そしてコミュニケーション力を伸ばしてあげましょう!