わが家のおうち英語は、英語「を」学ぶのではなく英語「で」学ぶが基本。
実はこのコンセプト、カナダのバイリンガル教育でも取り入れられているもの。
カナダといえば英語とフランス語の両方が公用語のバイリンガル国家で、子ども達は幼い頃から英語とフランス語を日常的に使い、学び、両言語が共存している国です。
そんなカナダでのバイリンガル教育は「イマージョン教育」と呼ばれ、世界でも有名で画期的な言語教育。
そして、なんとおうち英語でも取り入れることができてしまうのです。
この記事では、
- イマージョン教育とはどんなもの?
- イマージョン教育のメリット
- おうち英語でイマージョン教育を実践する方法
というポイントをお伝えしていきます。
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イマージョン教育とは?
カナダで1965年より行われてきたイマージョン教育。
「イマージョン」を和訳すると「浸すこと」という意味になります。
「浸す教育…?」名前だけ聞いてもさっぱりわからない
つまり、子どもたちを第2言語に浸すように教える教育方法ってことだよ
子ども達は幼稚園や学校で、第2言語であるフランス語を用いた授業を受けるのです。
わたしたちの教育環境で言うと幼稚園の活動をすべて英語で行い、学校に入学したら国語・数学・理科・社会という通常授業を英語で受けるということ。
子どもたちが第2言語に浸されながら教育を受ける方法なんです。
カナダは、過去にイギリスとフランスの両方の植民地だったという歴史的背景から、広大な国内に英語圏とフランス語圏があります。
現代でも、英語圏のいたるところでフランス語表記が目立ちます。
商品パッケージはほとんど2ヶ国語表示。
英語とフランス語が共存している国なので、バイリンガル教育に関しても先進国らしさを発揮。
コンセプトは、母国語である英語をおそろかにせず、最低限のフランス語も身につけようという、寛大でフレンドリーなカナダらしい目標。
市役所などの手続きも英語とフランス語で対応してもらえますが、場所によってはどちらかの言語のみという場合もあります。
国民がどこへ行っても行政やお店のサービスを不便なく受けられるように、英語もフランス語も分かるようになっておこうという意図もあるのだそう。
このイマージョン教育におけるメリットは、
子どもの脳は柔軟なので、新しいことを覚えるのに非常に有利である
子どもは生まれつき言語にさらされるだけでその言語を自然に獲得する能力がある
子どもの年齢が低ければ低いほど、言語を獲得するにあたっての偏見が少ない
実はこの3つのメリット、おうち英語との共通点が多いんです。
おうち英語でも真似できる点が多いので、後述したいと思います。
イマージョン教育の効果は?
1. その言語「で」学ぶので習得スピードが速い
冒頭で触れた、英語「を」学ぶのではなく英語「で」学ぶというロジック。
イマージョン教育が行われているカナダで言うと、フランス語「を」学ぶのではなくフランス語「で」学び生活をするということです。
その言語を「科目」と認識せず、まわりの人と一緒に使って生活する言葉として扱っているため自然に効率よく身につけることができ、知識よりも感覚で言葉を使いこなせるようになります。
たとえば、「おいしい」と言いたいとき科目としての英語の知識がある人は「Delicious」しか浮かばないことが多いと思いますが、感覚で言語を操れる人はもっと多種多様な形容詞が頭に浮かんでくるのです。
「Lovely」「Wonderful」「Beautiful」など、一見「おいしい」とは関係なさそうな英語を使いこなせる言語的センスも身につけることができます。
まず英語「を」学んでからいろんなことに応用していくのと、はじめからいろんなことを英語「で」学んでしまうのでは、単純に考えてかかる時間も半分になるのです。
それを低年齢のうちに始められるのであれば、やらない理由はないですよね。
2. 思考力・認知力も高まる
実際にイマージョン教育をしている機関のウェブサイトや専門家の研究文書、さまざまな資料を読み漁りましたが、必ず書かれているのが言語だけではなく、文化の違いを受け入れ理解する力も身に付くということ。
言語を身につけることと文化を理解すること、一見何の関係もなさそうですよね。
実は複数の言語を同時に習得していく過程は、複数の物事を同時に考え認識する能力も育てるのだそうです。
まったく違う言語を比較しながら操れるようになることで、思考力や洞察力、そして自分とはまったく違うものを認知する力さえも磨くことができるのです。
イマージョン教育を家庭で取り入れるには
このイマージョン教育というのは国をあげての大きなプロジェクトであり、おうち英語とは規模が違うかもしれません。
同じ効果が出る!と保証があるわけではないのですが、1つ言えるのはやっていることの本質は同じということ。
- 言語を言語として学ばないやり方
- 低年齢のうちから第2言語を始める
- 母国語をおろそかにしない
このように、おうち英語はイマージョン教育の家庭ver.といっても過言ではありません。
イマージョン教育を参考におうち英語を実践していくことは可能なのです。
では、どのような取り入れ方をすれば同じ効果が得られるのでしょうか?
1. 日常会話としての英語に触れる
日常的に英語を話すというのが一番手っ取り早い方法ではあるものの、なかなかハードルが高いですよね。
そんなときに、日常生活やルーティンがテーマになった動画コンテンツが役に立ちます。
おすすめYoutubeチャンネルはこちら。
Ryan's World
Kaji Family
BB Family
すべてファミリー系のほのぼの英語動画で、パパかママのどちらかが日本人というハーフっ子の英語なので、100%ネイティブの英語よりも親しみやすく聞き取りやすい動画になっています。
パパママとの英語のやりとりやあるあるハプニングなど、テーマもわたしたちの日常生活に近いものが多いのでインプット動画としても最適。
もちろん、日常生活がテーマになった歌やアニメも効果あり。
おすすめ英語チャンネルはこちらの動画にまとめていますので、参考にしてみてくださいね。
www.english-for-mamatokodomo.com
2. コミュニケーション英語を優先する
イマージョン教育と似た効果を求める場合、まずはコミュニケーション。
特に低年齢から始める場合、読み書きやフォニックスは焦らずにコミュニケーションのあとについてくればOKと考えましょう。
言語は聞ければ話せるようになるし、話せれば読めて、読めれば書けるようになるのです。
こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。
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たとえば、Apple という単語が読めるようになったとしても(それはそれで素晴らしいのですが)、その Apple という単語を使って人とコミュニケーションが取れることのほうが大切。
読むことよりも Apple について説明ができたり、Apple が好きか嫌いか言えるようになることを優先しましょう。
単語レベルでもコミュニケーションが上手になってきたなと感じたらフォニックスや教材にシフトするのも良いでしょう。
コミュニケーションファースト!順序をはき違えないようにすることも大切です。
こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
3. 日本語を介入させない
英語環境に"浸す"には、日本語を介入させないことも大切。
Apple って何?と聞かれたら「リンゴだよ」と答えるのではなく、実物のリンゴを見せたりリンゴのイラストを描いてあげたりして、日本語を介さずに教えてあげるようにしましょう。
スマホの音声検索で「What is apple?」などとマイクに向かって話せばリンゴの写真や絵が出てきて、子どもも楽しく学べます。
この音声検索が楽しくて、子どもたちは「自分もマイクに向かって喋ってみたい!」とアウトプット意欲が高まったよ!
英語を習得していく過程で日本語を介入させてしまうと、頭の中で英語⇔日本語に訳してから理解する癖がついてしまいます。
これは英語脳を作る上で大きな弊害となり、英語での円滑なコミュニケーションに支障が出ると考えられているので、英語環境では極力日本語を挟まずに。
英語「で」学ぶを意識しましょう。
英語脳については、こちらの記事で詳しくお話しています。
気になったらぜひ読んでみてくださいね。
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おわりに
賛否両論ある早期英語教育ですが、カナダの子ども達が幼少期から英語とフランス語で生活をし、両言語を操れるようになっているのはまぎれもない事実。
思考の軸になる母国語がしっかり確立されていれば、第2言語以降はネイティブレベルにならなくたって大丈夫です。
外国語で難なくコミュニケーションが取れる、使いこなせる、楽しめる!それだけで言語は立派な武器になるのです。
どこへ行っても英語でコミュニケーションが取れるように、最低限の会話くらいはできるようにしておこう!
そんなカナダのイマージョン教育のコンセプトくらい気軽な気持ちで、おうち英語を始めてみませんか?